ウイルス性イボの種類
イボの種類とできやすい部位
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名称 |
特徵 |
できやすい 部位など |
原因 |
| ウイルス感染によるもの |
尋常性疣贅 |
表面がザラザラ 肌色は白色、褐色 |
手指や 足の裏など |
ヒトパピローマ ウイルス(HPV) 感染 |
| 扁平疣贅 |
平たいイボ |
顔や腕など 若い女性に多い |
| 尖圭コンジローマ |
先端が とがっている |
外陰部や 肛門の周囲 |
| 水イボ |
表面がつるつる 光沢がある |
子どもに多い |
軟属腫ウイルス 感染 |
主なウイルス性イボの種類には、下記のようなものがあります。
尋常性疣贅
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、最も一般的なウイルス性イボで、自覚症状がほとんどないことが特徴です。手足の指、掌、足の裏によくできやすいですが、全身に生じる可能性があります。まず数mm程度の小さな盛り上がりができ、増大すると茶褐色の斑点がみられるようになります。足の裏にできるものは足底疣贅と呼ばれ、足裏の角質は厚いため、角質の中に押し込まれたようなイボを形成します。足底疣贅はタコやウオノメと似ていますが、表面の角質を削ると点状出血がみられることで区別できます。尋常性疣贅はHPV2、4、7、27、57型の感染で生じます。
青年性扁平疣贅
青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)は、若い女性に多く見られるイボで、特に顔や腕などに生じやすいです。一般的なイボの盛り上がった形状と異なり、表面が滑らかで上部が平らなイボです。自分自身の皮膚に感染しやすいため、複数できることが珍しくなく、線上に並ぶこともあります。顔や腕の中でもおでこや手の甲にできやすく、茶色や肌色の小さな突起が広がることから、シミと勘違いされることも多いです。青年性扁平疣贅はHPV3、10、28、29、94型の感染で生じます。
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは、性器や肛門の周辺にイボができる疾患です。初期の状態は小さな先が尖った形をしていますが、放っておくとイボが大きくなったり、数が増えていきます。さらに放置すると、イボ同士がくっつくことでカリフラワーのような形状になったり、腫瘍化してニワトリのトサカ状になったりします。女性の場合は膣の内側にイボが生じることもあり、発見が遅れるケースがあります。自覚症状がないことが多いですが、かゆみや痛みを伴うこともあります。尖圭コンジローマはHPV6、11型の感染で生じます。
水イボ(伝染性軟属腫)
ヒトパピローマウイルスによるイボと違い、水イボは伝染性軟属腫ウイルスによる感染症です。学童期以前の小児に見られることが多く、水遊びやビート板・タオルの共有、浴場などで肌と肌が接触することで感染する可能性があります。14〜50日程度の潜伏期間を経て、体幹や四肢、太ももの内側や下腹部などに発生します。肌色や白みがかった直径2~5mmほどのドーム状の発疹が生じ、通常であれば痛みやかゆみを伴いませんが、かき傷によって炎症が起きるとかゆみなどを感じる場合があります。水イボは、治療を施さなくとも1〜2年ほどで自然治癒するため、状態によっては経過観察することもあります。治療は主に、専用のピンセットによる除去と外用剤や保湿剤などの塗り薬によって行います。